しゃきしゃきとした歯ごたえ、ほのかな香り、ふっと甘くてほろ苦く・・優雅な菊の花びらを食用にすることは、江戸時代から始まったとされています。
山形県は食用菊の生産量で全国1位。東京都中央卸売市場で扱う6割以上は山形産が占めています。
数ある品種の中でも、独特の香りと風味、味の良さで『食用菊の横綱』と評価されるのが、淡い紫色の「もってのほか」です。正式には「延命楽」という品種ですが、「もってのほか」という愛称の方が広く知られている名前の由来は、「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか」とか、「もってのほかおいしい」といったことから転化したとか・・。
「もってのほか」は、食用菊の中では最も晩生で、収穫は9月上旬頃から。花びらが筒状に丸まった管弁なので、しゃきしゃきとした歯ざわりが特徴です。
一方、黄菊は比較的柔らかく、色の華やかさで安定した人気。山形県では、「寿」「岩風」などの品種を作付けしています。電照での抑制栽培、ハウス栽培などを導入、いくつもの品種を組み合わせて周年出荷を行っています。
もともとは京都辺りで食用が始まったとされますが、東北が主産地となり、今では地方食的な色合いが濃くなりました。
和え物、おひたし、天ぷら、酢の物、吸い物など、食べ方は色々。ゆでる際に酢をたらすと色良くゆで上がります。また歯ざわりを楽しむので、ゆですぎないことが肝心です。地元ではなすやきゅうりと一緒に漬け物にしたり、甘酢漬け、塩漬けなどの素材としても大変好まれています。 |