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「日本一早いサクランボ」初せりで過去最高の130万円!「やまがた紅王」もお披露目

天童市荒谷のサクランボ農家 花輪和雄さんが超促成栽培したサクランボ約60㎏が1月4日、日本一早い収穫を迎え、北海道から関西まで約30社の卸売市場に向けて出荷されました。

今年は「佐藤錦」と「紅秀峰」の他、2年前から栽培に取り組んできた「やまがた紅王」も初めて収穫・出荷されました。

 

超促成栽培は、初夏の味覚であるサクランボを新春にも楽しんでもらおうと、天童市内の生産者が1987年から始めたもの。

花輪さんは今年で栽培20年目を迎え、特製の鉢に植えた木を6月上旬から10月上旬まで冷蔵庫で保管した後に温室に移す「超早期加温ボックス栽培」という栽培方法で、ビニールハウス2棟、240本のサクランボを手掛けています。

 

今季は12月の高温と日照不足により、着色・温度管理が難しい気象状況だったものの、丁寧な栽培管理で、例年通り高品質のものが出荷されたとのこと。

「佐藤錦」の桐箱入り500gと300g、パック入り80gの3形態が出荷された他、超促成栽培による「やまがた紅王」の出来栄えを初披露するため、宝石箱に似せた赤い外装箱に6粒が入った規格も各市場に送られました。

 

花輪さんは「今年は集大成のようなサクランボを作りたいと思い、大きな期待とプレッシャーを背負いながら一層大事に育てた。新年を祝う真っ赤なサクランボを楽しんでもらいたい」と笑顔を見せました。

 

そして、1月5日に東京 大田市場で行われた初せりで、桐箱入り500g(2Lサイズ・特秀)が、過去最高額を10万円上回る130万円でせり落とされました。

1粒に換算しておよそ19,000円以上。

大田区の青果卸売業者(株)船昌がせり落とし、会場ではどよめきの後、大きな拍手と歓声が沸き起こりました。

この他にも、桐箱入り300gやパック入り80gの規格がせりにかけられ、関東圏の大手百貨店や果物専門店などで販売されました。

 

JA全農山形園芸部の鈴木雅昭部長は「今年は着色や食味も良く、高品質だったために価格が上昇したのではないか。資材高騰などで農業経営が厳しい状況にある生産者を明るく勇気づけたいという思いも込められたせりだった」と話しました。