高貴な甘さ
メロン
香り高い果肉のメロンは、日本海に面した庄内地方の砂丘地帯などで育つ、みずみずしい夏の味覚。なかでも高い評価をうけている「アンデスメロン」は、山形県のメロン栽培の中心となっています。また、贈答品として人気のある高級アールス系メロンのハウス栽培も行っています。
山形県のハウス・露地メロン生産量は全国で第4位。バリエーションの豊かさが、6月から7月のメロン市場を支えています。
ハウス栽培から露地栽培へと、順次定植作業が進められます。
ハウスやビニールトンネルを設置し、温度を調整して生育を早め、雨や寒さから苗を守ります。
定植された苗のツルが伸び、5月中旬には黄色い花が咲き始めます。
花が開花している間のわずかな期間に、ミツバチや人工交配などによる受粉が行われます。
庄内砂丘の露地に定植されたメロン畑から、元気なツルがはい出してきます。
ビニールを開けて、大きくおいしいメロンにするために余計な実を減らす「摘果」が行われます。
果実が卵から野球ボールくらいの大きさになったら、食味や品質を高めるため、1ツル2果、1株4果の目安で摘果していきます。
定植後は、水管理が特に重要な作業になります。水をやり過ぎても少なくても、いいメロンにはなりません。
水管理は、生育や天候の状況を十分に考えながら行う気の抜けない作業です。
収穫が近くなると、糖度をあげるために少なめの水を与えるようにします。栽培の中心になっている「アンデスメロン」の収穫は、6月中旬のハウス栽培から8月のトンネル栽培のものまで、約2ヶ月間続きます。
メロンは、明治初期にアメリカから伝わりました。
その後、高級品のアールス系メロンがヨーロッパから導入され、温室で栽培されるようになりました。
砂丘地の露地メロンの栽培は大正7年に始まり、昭和37年には庄内地域でプリンスメロンを導入。これが全国で評判となり、昭和42年頃からは本格的に栽培されるようになりました。